こんにちは。
昨日は、こどもたちをお店に迎えて「こども日本茶教室」を開催しました。
4枠を設けたところすべて埋まり、幼稚園と保育所の子どもたち、小学生、中学生が参加してくれました。
家庭でのお茶の経験もさまざまで、一人として同じように話せばよい子は居ません。じっと「うん、うん」と話に聞き入ってくれた子もいましたし、「わたしはね!」「わたしは!」といって保育所の仲良し3人組は騒ぎながら楽しく体験してくれました。
まず、親戚が近所からとってきてくれたお茶の枝や花、実を見せました。お茶は、チャノキという植物の名前なんだよという話からスタート。花をつけ、実になり種を落とし、地面から新しい芽が出る。他の植物と同じように生活している生きものだということを伝えました。
そして、農家の人たちはお茶の樹を育てていて、葉を収穫したらいくつかの作業をこなし、やっと「お茶」が出来上がることを簡単にお話し。実際に乾燥した茶葉に触れて、からからに乾いているのを肌で知ってもらいます。
次に、急須を使って自分でお茶を淹れてみました。そもそも「きゅうす」という名前であること、どうしてそんなものを使うのかを説明。使うものはたったの5つ。お茶と、急須と、お湯と、台所にあるスプーン(茶さじの代わり)、そして湯呑み。温度計もスケールも湯冷ましも要りません。
私が実演してから子どもたちへバトンタッチ。細かいことは何も言いません。そもそも正解などないからです。茶葉の量も、お湯の量も、蒸らす時間も好きなように。そうすると、他の子どもと出来上がりの違うことが分かります。
子どもたちは慣れない手つきで急須を持ち、真剣に湯呑に注ぎます。いままさに世界の境界線を広げている子どもたちの神聖な様子。はじめて急須でお茶を淹れるって、一生に一度だけのことですよね。お母さんたちのシャッター音も最高潮です!
苦い!おいしい!うすい!熱い!いろいろと声が上がります。
どうしてそうなったのかな?と一緒に考えます。お茶が多すぎたかな?湯のなかに長くつけっぱなしにしすぎたかな?お湯が少なかったかな?
次に、家族にお茶を淹れてあげる練習。ポイントは「回し継ぎ」だけです。一度にひとつの湯呑を満杯にせず、濃さが均一になるように少しずつ注ぎます。これを自分でやってもらいました。手がまだまだ小さい子も多いので、私が手を添えつつ、やけどしないように気をつけて。
保護者の方々にも子どもが淹れたお茶を飲んでもらいました。ものすごい量の茶葉を使って、湯は少しだけ使った女の子も。お母さんたち、表情を引きつらせて「うん、ちょっと、ちょっとだけ苦いかな!」とかなり優しめのコメント。これには私が楽しませてもらいました。
最後に、教室で使ったお茶を3煎ぶんくらい個包装して子どもたちにプレゼント。家でまたやってみてね、キュウスがなかったらサンタさんにお願いしてね、なんて言いつつ。
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知らないことに足をつっこむことの緊張とうれしさって大切です。そしてやってみたら意外とできることを、子どもたちはもちろん、保護者の方にも確認してもらえれば、なおのこと光栄です。
保護者の皆さまには、「割れる、危ない」とか「熱い、やけどする」といった声掛けをできるだけ我慢してもらって、やりたいようにさせてあげてほしいとお願いをしました。割れたら割れたで仕方がないです。(実際にそんなことは起きず、みんな大切に道具を扱ってくれました)
曲がりなりにも最初から最後までやることができれば、子どもの自尊心やアイデンティティにつながるはず。大人だって一緒です。お茶を淹れられるようになることは、自分自身を大事にしてあげられることに比べたら、そんなに重要なことではないと思います。心に関わることだからです。
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同日開催した「日々の和菓子」も盛況で、あっという間におやつは完売しました。こちらもお礼申し上げます。
おやつaoiさんの和菓子販売とこども日本茶教室は、今後も月に一度のペースで継続するつもりです。修正できることをちょっとずつ直しながら、より豊かに、子どもの感性に寄り添ってあげられるように、私も勉強です。
今後のスケジュールは改めてお知らせしますね。
多謝。
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